
本記事では、精神科医の水島広子さんの著書『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』を参考に、成果や実績は要らない本当の自信のつけ方を解説します。
以下のような方にぜひ読んでいただきたいと思います。
- 自信がない方
- 成果や実績がないと自信は持てないと思っている方
自信のつけ方/成果や実績は要らない本当の自信
結論、自信のつけ方は
- 自信のなさを自覚する
- 自信とは何かを知る
- 自信がつく考え方を身につける
です。それぞれ解説します。
自信のなさを自覚する

自信がない人の特徴は以下のようなものがあります。
- 自分の価値が低いと思っている
- 他人がどう思うか優先してしまう
- 自分へのケアが下手で病みやすい
- 成果を重視する
- 秘密主義
まず、自信をつけるためには自信がないことを自覚することから始まります。
自信がないことは恥ずかしいことではありません。まずは認める、そして、そのうえで一緒に対策を学びましょう。
自信とは何かを知る
自信のなさを自覚した次は、自信をつけていく方法を学んでいきます。そのためには、本当の自信とは何かについて、知る必要があります。
よくある誤解
自信とは成果の上にあるものと私は考えていました。
例えば、
- 大学に合格する。その結果、自信がつく
- 仕事で昇進する。その結果、自信がつく
- TOEICで高スコアをとる。その結果、自信がつく
しかし、水島広子さんは成果の結果得られる自信とは、本当の自信ではないと言います。
なぜなら、成果は左右されるからです。つまり、良いときもあれば悪いときもあるのが成果です。
成果の結果得られるのが自信だとすると、良いときは構わないですが、成果が悪いときには自信もなくなってしまうということになります。
実体験/自信を追い求める先にあったもの

私はこれを読んだ時、目から鱗でした。
私はずっと、自信がありませんでした。そのため、ずっと自信を追い求めてきました。
成果や実績が自信になると考えた私は、成果や実績を得るために仕事をがんばり、残業も月45時間はデフォルトで、100時間程度する月もありました。
また、休みの日には英会話や習い事をしていました。
とにかく、当時は何か成果や卓越したスキルが欲しいとずっと思っていました。
すると、結果を求めて焦り、理想の成果と現状の進捗とのギャップに絶望や苛立ちがこみ上げ、ますます自信がなくなりました。特に何もしていない周りの方がうまくいってるように見えて、とてもみじめな気持ちを感じていました。
しかし、よくよく考えてみると、自信とはむしろ成果や実績を得るため必要なのではないでしょうか?
私がずっと欲しかった自信は何か嫌なことから立ち直ったり、遠くにある夢に向かって挫けず歩き続けるための自信だったのです。
成果の上に成り立つ偽りの自信はもろい
成果の上に成り立つ自信はもろいです。
なぜなら、その類の自信は成果に強く依存するからです。そして、1つ成果が得られても、すぐ次の成果が求められるからです。
社会人ならお分かりかもしれませんが、成果を上げ続ける人は、ほぼいません。成果が得られる期間のほうが少ないと思います。
その場合、ほとんどの期間で自信が持てないということになります。
そのため、繰り返しですが、成果が出てないときのほうがむしろ自信が必要だと思います。
結果が得られていないから、焦ったり心が折れそうになります。そんな時にこそ、粘り強く取り組める折れない自信が必要なのではないでしょうか?
本当の自信とは?
水島広子さんは、本当の自信とは行動したあとの成果によらず、自分が好きな自分の「あり方」であると言います。
「自分はこれで良い」という、一緒に居て心地よい自分の状態だと言います。
例えば、
- 実績はなくても、人に優しく接する自分
- 成果が得られなくても、途中で投げ出さなかった自分
のように、成果や実績に関係なく、自分が好きな自分流の取り組み方・姿勢が一貫している状態です。
自信がつく考え方を身につけること

上で説明した自信(「自分はこれで良い」という、一緒に居て心地よい自分の状態)はどのようにして得られるのでしょうか?
「成果」よりも「気持ちよさ・心地よさ」を重視する
先の説明のように、成果を基準としていると、不安定な自信しかつかず、また必要なときに自信が得られないことになります。
そのため、行動の結果ではなく、行動の気持ちよさで選択すると、成果主義から脱却できると考えられます。
気持ちよさとは、要するに「自分がしたいからする」とか「自分の取り組み方は自分で言うのもあれだけど、好き」みたいな感覚です。
私で言うと、問題を解くときに「自分のこの部分は良いな」と思うことがあります。
それは難しい問題でも、あきらめずに考え続けることです。たとえ、解けなくても自分のこの諦めの悪さや負けず嫌いは私は好きです。
皆さんも他人の評価は度外視して、なにか「自分のこの部分は良いな」と思うことがあるはずです。この機会に少し考えてみましょう。
完璧主義を求めない
私はエンジニアをしていましたが、社会人になって自分の納得のいく製品がつくれたことはありません。
正直、完璧は難しいと思います。
こうしてブログを書いてても思いますが、やり始めは誰でもうまくできないものです。どんな文豪でも本当の書き始めは稚拙な文章であったはずです。
ところが、なかなか読者に読んでもらえなかったり、PVが増えないと正直、心が折れそうになります。ただ、それは私が成果に目を向けているからです。
なので、「今はこれでいい」と思うように取り組むと気持ちが楽です。「今の自分のできるだけを尽くした。結果は後からついてくるし、経験も得られた。」と思うようにしています。
会社員時代の話~私の完璧主義が祟った話~

例えば、私の前職での製品開発の話をしましょう。
正直、私は要領があまりよくなく、仕事をしていた時間にしては大した成果はありませんでした。
いつも上司への進捗報告は嫌いでしたし、メールを返すのも嫌でした。
残業するけど成果は0→自分は仕事ができない人間だと考えるようになる→自信がなくなる→加えて、肉体的にも残業で疲労している→ますます生産性が悪くなる→自信がなくなる→ ・・・
自分で書いていて悲しいですが、当時はこのような負のスパイラルでした。
ただ一回だけうまく行ったなと思ったときがあります。それは、完成度を下げて、とりあえず開発を終わらした時です。
期限が厳しい社会では、なかなか満足いくものはできないでしょう。なので、「完璧主義」から「完了主義」の方が、自分もできたと思い、自信がでると思います。
まずは終わらせる。そして、あとから改善する。
そう思うと、このブログもそうです。あとからいくらでも修正できるので、まずは勢いで書いてます。段々と完成に仕上げていくという感覚です。
「成果」よりもコツコツ取り組んできた足跡に着目する
これもなかなか難しいですが、意識すると成果に依存しない自分のあり方を肯定できるようになると思います。
例えば、私は英語の勉強で良く思います。私の彼女はフィリピン人で会話は基本的に英語です。そのため、私は英語を勉強しています。
しかし、語学学習はすぐに上達するものではありません。リスニングも早くて聞き取れないことがよくあり、それが続くと勉強しているのに全然上達しないとみじめになります。
極めつけは「なんて?わからない」と聞き返されるときです。頑張ってるのに、発音が悪くて伝わらず、本当に投げ出したくなります。
しかし、これは私が結果ばかりに囚われているからです。そして完璧主義がまだあるからです。
「今自分のできるだけを行えばいい」と思うことに加え、「毎日単語も頑張って勉強しているから着実に上達しているだろう」と考えると、自暴自棄から脱却できます。
また、私の個人的な意見で言うと、パートナーの存在が大きいです。時々、「全然英語ができるようにならない」と漏らしてしまうことがあります。
しかし、そのたび「大丈夫、うまくなっているよ」と励ましてくれます。そして、どうにか立ち直ることができます。
自分で頑張るだけではなく、誰かに漏らすことも今の自分には必要です。それは正直に認め、周囲の人に感謝しています。
自信喪失する場面を回避する
例えば、同窓会や親せきの集まりです。
周囲と比べやすい環境ができます。そして、「友達と比べて自分はダメだな」と自信が消え失せてしまいます。
本当の自信を得るために、成果ではなく、あり方に注目する訓練をしている最中は、そのような場を回避しても良いでしょう。
例えば、私も昔の部活の集まりを回避しています。今会いたくないからです。今会うと、自分がみじめに感じるかもしれない。話をするときもおそらく、自信がないために自分の話をあまり打ち明けないと思います。
冷たいと思うかもしれませんが、これが私なりの戦略です。いつの日か、私が本当の自信を手に入れたとき、会えば良いかなと考えています。
自分の限界を受け入れる
会社員を経て感じましたが、自分のできる範囲内でしかできません。
私は頭の回転が速い方ではなりませんし、要領も良くないです。
なので、何回か質問して、何回か試してなんとか与えられた仕事をできるようになります。この事実は私が「私ってダメだ」と思っても思わなくても変わりません。
なので、まずは限界を受け入れる。そして、私なりの対策を考える。ということで、私自身と合意しています。
「今はこれで良い」と認める
「私はダメだ」と思っても「私はこれで良い」と思っても、現状の成果は変わりません。ならば、「私は今はこれで良い」と思う方が、気持ちが楽になり、物事に前向きに取り組めると思います。
私もこのブログは、今はこれで良いと思い、まずは出してみることにしています。
今に集中する
過去を考えると、過去の成果や自分、他人との比較をしています。
未来を考えると、まだ起きていない未知のことに関して、漠然とした不安感がこみあげてきます。
なので、今に集中する。少なくとも、不安や比較によるネガティブな思考の連鎖を止めることができます。
自分の価値ではなく、価値を置くものを意識する
「与えられた仕事も満足にできないなんて、私の価値ってなんだろう?」と私は自分の価値についてよく考えていました。
この思考は自己肯定感の低下を招いてしまいます。これも仕事ができるかどうかの成果に基準を置いています。
この思考から脱却し、自己肯定感の低下を防ぐには、成果ではなく自分が大事にしている考え方・取り組み方に重きを置くべきです。
私の友人に自信があるように見える人がいます。話してて思うのは、自分流のルール・ポリシーがあるということです。
その方は成果に囚われずに、自分が好きな自分流のルールとポリシーを守り、自分を守っているように感じました。
その一貫性が自己肯定感を与えているのかもしれません。
私たちの自信を蝕む天敵

不安
不安のほとんどが「情報がない」ことによる漠然とした不安だと思います。
なので、調べてみたり、試してみたりすると実際徒労だったということは私もよくあります。
例えば、私が一人で初めて海外に行ったとき、不安でした。しかし、行ってみると、意外になんとかなるものだし、かたこと英語でも頑張って汲み取って助けてくれました。
このように、実際に試してみると、案外不安とは頭の中にある思い込みであることがわかります。
また、プレゼンがうまくいくかどうかの不安などもあります。
しかし、それも成果に囚われています。正直、今の全力を出すほかに手段はありません。
なので、うまくいくかわからないけど、今はこれが私の限界だから、その限界を見てもらおうくらいで挑むと不安を克服できると思います。
他人との比較・他人の評価・批判
上のプレゼンの話をすると、そもそもうまくいくかどうかの「うまくいくかどうか」は「他人に評価されるかどうか」の意味になっていませんか?
しかし、そもそも他人がどう評価するかは他人が決めることなので、自分が今の全力を出す以外は圏外なことです。
なので、自分ができる範囲の限界を出したらそれで今は良いと思います。
そのあと、なにか問題があれば、都度改善するスタンスで挑みましょう。
「自分にしかできない」という幻想
私はずっと「自分にしかできない」なにかを達成することに人生の意味があると考えていました。
しかし、「自分にしかできないこと」はほとんどありません。幻想です。
私は人生の大半をこの考え方に費やし、「なにもできていない現状」に自信を喪失するという滑稽なループにはまっていました。
私は転職経験がありますが、辞めた職場では私がいなくなっても普通に仕事が回っていることに気づきました。
また、「自分にしかできない」ことが蔓延しているならば、それは会社という組織として破綻しています。
私の個人的な意見で言えば、そのような職場は離れた方が良いと思います。
大きすぎる目標
目標が多すぎると、現状の進捗とのギャップに心が折れそうになります。
大きすぎる目標を持つことは良いと思います。しかし、その目標は細切れにすることが重要だと思います。
例えば、私は将来作家として生計を立てたいです。
ただ、その夢は現状からあまりにも遠い目標です。なので、こうしてブログで文章を書くこととまずは一冊目の本を書くことを最初の目標にしています。
ブログで文章を書く→それで培った文章構成力と整理された考えをまとめて一冊の本にする→これを繰り返す→稼げるようになる→作家として生計を立てられる
甘いかもしれませんが、このようなマイルストーンを考えています。
それでも自信がなくなったときは
自分の為の時間を確保する
私の友人に自信があるように見える人がいます。その人が実践している方法です。
友人曰く、夜9時以降は連絡を断絶する。そして、自分が好きなことで時間を過ごすそうです。
自分が求める「あり方」を再確認する
あなたの好きな考え方・取り組み方は何ですか?
私もこの場で再確認してみます。
私の理想の姿勢は
- 話を最後まで聞いて、相手の話を理解する
- 他人の考えを否定しない
- 自分のできる範囲で最善を尽くす
- できないことを認め、他人と共有する
- 忙しくても、家族との時間を確保する
です。
この取り組み方ができるかどうかを今後は重視したいと思います。
信頼できる人と話す
誰かと話すと自分の考えを客観視して、整理できます。
最近は生成AIでも良いかもしれません。
なぜ自信がなくなっているのか、客観的に見て、それは妥当な判断なのか・思い込みに過ぎないのか。
など、なにかしら現状打開のアイディアが浮かんでくるかもしれません。
まとめ:自信のつけ方
本記事では、精神科医の水島広子さんの著書『「本当の自信」を手に入れる9つのステップ』を参考に、成果や実績は要らない本当の自信のつけ方を解説しました。
本当の自信とは成果に関係なく、「自分はこれで良い」という一緒に居て心地よい自分の状態です。
自信をつけるうえで最も大切なことは
- 成果ではなく、自分の取り組み方を重視する
- 今のできるだけをすれば、とりあえずOKと考える
- 完璧主義を捨てる
です。
本記事が少しでも読者さんのお役に立てば幸いです。ご拝読ありがとうございました。
