
本記事では、山根洋士さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』を参考に、「自己肯定感が低いのは親のせい」と言われる理由と解決策を解説します。
本記事では以下のような疑問を持っている人に対して、執筆しました。
- 自分が自己肯定感が低いと悩んでいる人
- 自己肯定感について学び、子供教育の参考にしたい人
- まじめで深く考える癖がある人
自己肯定感が低いのは親のせいと言われる理由と解決策
結論、自己肯定感が低いのは親のせいと言われる理由は子供時代に親に言われた固定観念や思い込みが自己肯定感を低下させる原因となり得るからです。
山根洋士さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』によると、解決策は
- 自分の頭にある固定観念や思い込みを認識する
- 反射的で受動的だった思考を能動的な選択に変える
- ネガティブな思考になる習慣を避けて、自己肯定感低下を予防する
です。
子供時代に親に言われた固定観念や思い込みが自己肯定感を低下させる?
子供時代に親に言われた固定観念や思い込みが自己肯定感を低下させるのは以下のような場合です。
親に「~できないなんて、出来が悪い」と言われた

幼少期に、親にダメ出しを強くされると、「自分にはできない」、「自分は劣っている」と考えてしまいます。そのような思考が反射的に出ると、自己肯定感が低下してしまいます。
例えば、私の場合、3才年上の兄が親によくダメ出しされているのを目にしていました。学校の算数のテストなどが代表例です。
それを見て、私は怒られたくないから親の前では、点数の高いテスト結果だけを見せて、うまくできている風を装っていました。しかし、裏では実は兄と同じく、悪い点数をたくさんとっていました。
すると、兄が親にダメ出しされているシーンが脳によぎり、「自分はダメなんだ」、「自分にはできない」と考えるようになっていました。
親に「~のほうが良いにきまってる」と言われて、判断を親にゆだねるようになっていた
親が子供の判断を代わりにしてしまうと、自分で考えないようになってしまいます。すると、最終的に自分で考えられなくなり、考えられない・判断できない自分に自信がなくなってしまいます。
自分は子供に判断させていると思ってる親の方も、知らずに自分で決めている場合があります。
例えば、子供がこれがいい!と言ったときに、「え~、こっちにしたら?」とか「なんでそっちを選ぶの?変わってるね」とか言ってませんか?それは、親が決断しているに他ならないです。
私の場合、「変なの~」と言われたり、親が私の決断に機嫌が悪くなることがありました。私は怒られるのが怖いので、親の決断にうまく合わせる癖がついていました。
その結果、大学受験や就職の際、どこに行きたいか何がしたいかと言う自分の考えがなくなっていました。また、自分の考えを持つことだけでなく、発言することもなくなりました。
親が子供と他人をよく比較していた
親が「~さんのお子さんは~」とか「お兄ちゃんは~だった」とか比較すると、知らず知らずのうちに子供は比較癖がついてしまうと思います。
比較癖がつくと、なにかと他人と人生を比べてしまい、落ち込みやすく、自己肯定感が低下してしまいます。
私も自覚していることですが、比較癖があります。私の場合、親が学歴についての固定観念がありました。「偏差値高い=価値がある」みたいな考えです。
すると、自然とテストの結果に敏感となり、他人と比べてテスト結果が悪い時には自分は価値がないと思うようになっていました。
それが社会にでると、仕事ができない自分=価値がない、モテない=価値がない、年収が低い=価値がないみたいな発想が自然と湧いてくるようになりました。
学校で「我慢することは美徳」、「こつこつ頑張るのは偉い」と刷り込まれる

親だけでなく、学校の先生も子供の潜在意識に強い影響を及ぼします。
例えば、我慢=良いこと、こつこつ努力する=偉いと刷り込まれた結果、私は社会に出てとても苦労しました。
また、日本のおもてなし文化、自己犠牲=美しいみたいな思想も同時に私の生活を苦しめていました。
私は自分で頑張ってやりきることが大切だと自然に考え、仕事が溜まっていても、仕事を断れず、残業を長時間するようになっていました。月に45時間はデフォルトで、100時間程度するのも珍しくありませんでした。
当時は「苦しいのに、なぜかうまく頼れない」、「うまく甘える人がうらやましい・腹が立つ」と正直思っていました。
自分が苦しいと人に優しくできず、自己嫌悪に陥りました。また、ネガティブな思考が脳内を占領していました。
結果として、私の自己肯定感は皆無でした。
親に言われた固定観念や思い込みの克服法
自分の頭にある固定観念や思い込みを認識する
上で述べたように、潜在的にすりこまれたことは反射的な思考として現れます。
しかしながら、自分の思考回路に単なる固定観念や思い込みが存在し得ると認識しておくと、潜在的な思想を意識することができます。
無意識なことには対策しようがないですが、認識して意識できると行動や思考を能動的に自分で判断・選択することできます。
反射的で受動的だった思考を能動的な選択に変える
重複しますが、ネガティブな思考になったときに、固定観念や思い込みの存在を意識しておくと、①これは自分の考えなのか②それとも、親や学校で植え付けられた固定観念や思い込みなのかを判断できます。
すると、反射的で受動的だった思考が能動的で自分で決めた選択へ昇華します。この自分で決めたという「自分らしさ」「自主性」が自己肯定感の重大要素な気がします。
固定観念や思い込みの存在を意識する工夫
とは言っても、なかなか固定観念や思い込みはすぐに克服できるものではありません。しかし、山根洋士さんは具体的な対策案を紹介してくれています。
物事のメリットとデメリットの両方を考える
一つ目は、「物事のメリットとデメリットの両方を一旦考えてみる」です。とっさに物事のメリットとデメリットを考えることで客観視ができます。客観視ができると、固定観念や思い込みに捉われていないかを冷静に考えることができます。
例えば、私が就職時に、推薦先の会社の面接に落ちたときの話をしましょう。私の大学からその会社へは推薦であればだれでも通るような会社でした。しかし、私は面接時に余計な事を言ったことと、自分でも行きたい会社がわからず、抽象的な志望理由となり予想外に落ちてしまいました。
この出来事のデメリットは
- 推薦先の会社に落ちて、周りから同情された
- 就活が予想外の延長となり、自身の研究・修士論文に支障がでた
- 研究室の教授から小ばかにされた
などがあります。
一方で、
- 真剣に進路を考えるようになった
- 就活を通して、「自分でしたいことがわからない」自分を認識できた
- その結果、読書が習慣となり、自分の人生に初めて能動性が生まれた
などのメリットがありました。
直後は、ネガティブで反射的な「誰でも通ると言われていた推薦先の会社に落ちた=自分には価値がない。周りよりも劣っている」という思想に囚われました。
しかし、こうして書きだしてみると、今では推薦先の会社に落ちたことは自分の人生に能動性を与えた良かった出来事だと思っています。
したがって、何事にも良いことと悪いことの二面性があるので、「物事のメリットとデメリットの両方を一旦考えてみる」はネガティブで反射的な思い込みから脱却する有効な手段だと私も思います。
自分の行動を実況中継する
この方法はなるほどなと思いました。要するに、潜在的に考えていることを実況中継によって言語化させ、認識できるようにしています。ひとたび認識できると、反射的な思い込みに囚われた行動も少なくなるでしょう。
ネガティブな考えにポジティブな言葉を添えるようにする
本文ではぺこぱさんが紹介されていました。
例えば、上の私の実体験で「推薦先の企業に落ちた」と言う事実に、「だけど、真剣に進路を考えるようになった良い機会になった」というポジティブな要素を足します。
要は、ネガティブな考えにポジティブな言葉を添えることで、二面性を生み出し、客観視をもたらす技法と言えます。
客観視をすることで、自分の考え・行動を選択できる余地が生まれて、自己肯定感低下をもたらす思い込みから脱却できます。
また、ネガティブな思考は連鎖しやすいので、その連鎖を断ち切って自己肯定感低下を防止するのに有効だと言えます。
ネガティブな思考に陥ったときは瞑想や水に流すイメージで切り替えを試みる
この方法もネガティブな思考の連鎖を断ち切って、自己肯定感低下を防止するのに有効だと思います。
例えば、悪いことがあったときに本文では水に流すようなイメージをすることで思考の切り替えを補助してくれるとありました。
私の場合、ゴミ箱をイメージします。紙をまるめてごみ箱に投げ捨てることをイメージすると、私的には切り替えがしやすくなるように感じます。
また、瞑想は冷静になれるので、私たちに客観視の機会をくれると思います。すると、自己肯定感低下を招く思い込みから脱却し、自分で考えを選択することができるようになります。
ネガティブな思考になる習慣を避けて、自己肯定感低下を予防する
山根洋士さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』で最も私が共感し、危機感を覚えたのがSNSの使用です。
私はもとより比較癖がありますし、SNSの利用でさらに他人の様子が可視化されて、比較癖がひどくなったように感じます。
また、流れてくる動画やコンテンツを見ていると、自分が能動的に考える機会が減り、なんとなく生きている感じや思考力・記憶力が落ちてきたように感じます。
そのため、この原因となっているSNSの利用は自主的に制限したほうが自分の自己肯定感を保護するために重要だと感じました。
まとめ:自己肯定感が低いのは親のせいと言われる理由と解決策
本記事では、山根洋士さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』を参考に、「自己肯定感が低いのは親のせい」と言われる理由と解決策を解説しました。
まとめると
- 自己肯定感が低いのは親のせいと言われる理由は子供時代に親に言われた固定観念や思い込みが自己肯定感を低下させる原因となり得るからである
- しかし、この事実を意識することで能動的に思考するようになり、自分の選択ができるようになり、自己肯定感を克服できる
- また、自分で自己肯定感を低下させる要因を回避することで、自己肯定感低下の予防となる
本記事が少しでも自己肯定感に課題意識がある方のお役に立てば幸いです。
本記事では、山根洋士さんの著書『「自己肯定感低めの人」のための本』の中で私が重要と思った部分だけを私なりの解釈で記載しています。より詳しく、丁寧な解説を読みたい方はぜひ直接本を手に取って読んでみてください。
