はじめに
本記事は、私個人がフィリピン・セブ島で生活・留学した際に感じたカルチャーショックを体験談としてまとめたものです。また、地域や時期、学校や滞在先によって状況は大きく異なります。あくまで私の主観的な気づきとして読んでいただければ幸いです。宗教・文化・食習慣に関する記述も、特定の価値観を優劣づける意図はまったくありません。
体験談紹介
1. シャワーについて

フィリピンの多くの地域は一年を通して気温が高く、朝から汗をかくのが日常でした。
私の周囲では、“どうせ汗をかくから朝シャワー”という流れが自然。寮やシェアハウスでも、朝の時間帯はシャワー室の稼働率が高いです。
そのため、朝シャワー→日中はボディペーパーでリフレッシュ→夜はさっと流すというリズムに落ち着きました。
ただ、水圧や水温は施設によってまちまちで、タンク給湯の物件では温水量に限りがあることも。急にお湯がでなくなることも多々あります。
なので、シャワーを浴びる前に以下の手順を踏むことをおすすめします。
①できるだけ混雑する時間帯を避ける。(寮なら大体朝授業の直前と夕飯終わりが混みます。)
②シャワーを浴びる前に、一定時間水を出してみて、お湯がでることを確認する。
私の体験では、朝早めの時間あるいは夕方の早い時間が人が少ない+お湯も出ると快適でした。
また、シャワーについてフィリピン人の驚く習慣も見られました。それは、髪を乾かさない人が結構います。人にもよるとは思いますが。
私は英語の語学学校に通っていました。そこで、フィリピン人の先生と毎日交流する機会がありました。
そこで、濡れた髪でそのまま教室に来る先生が何人もいました。
これは、気候や文化が関係しているのかもしれません。
例えば、フィリピンは熱帯気候で1年中蒸し暑く、特に雨季は湿度が高いです。なので、髪を乾かしてもすぐに汗や湿気で湿るため、そもそも乾かす意味があまりないと感じる人が多いのかもしません。
また、そもそも暑いので、ドライヤーをしたくないのかもしれません。
2. 食文化:豚の“脳”や“血”を使う料理がある
日本ではなじみの薄い部位や食材を使った料理に出会うのも、大きなカルチャーショックでした。私が印象に残っているのは、豚の脳みそ(トスロブワ)や豚の血を使う料理(血の塊のように見えるもの)。どれも伝統的な家庭料理やローカルの味として大切にされており、現地の友人に教えてもらって初めて知る世界観でした。
トスロブワは実際には豚の脳みそを煮込み、ガーリックや玉ねぎ、ネギなどを加えて炒めた料理です。味はまろやかでクリーミー、豚骨スープに似た旨味があります。また、現地では「プソ」と呼ばれるヤシの葉で包んだご飯をちぎりながら一緒に食べるのが定番。ローカル食堂では50〜100ペソ(約100〜200円)ほどで気軽に食べられます。

トスロブワ
味はお店やレシピによって幅があり、私には“濃厚でコクがある”と感じるものが多かったです。衛生管理に配慮している店舗を選びつつ、体質やアレルギーに注意してトライするのがおすすめ。
慣れない方は無理せず、食べる/食べないの選択は自由でOKです。特に、現地の食堂は場所によっては現地の方でもおなかを壊す方がおおいので、注意が必要です。
私は、IT Parkに学校があったので、近くにあるSugbo Marketでトスロブワを食べていました。ここでは、店員さんが作ってくれたので、初めての方におすすめです。
Sugbo Marketでは、他にもBBQ、レチョン(豚の丸焼き)、マンゴーシェイクなどおいしいグルメがたくさんあります。
ご興味がある方ぜひ行ってみてください。


また、留学初日から驚いたのは、とにかくファストフードと揚げ物が多いこと。
ジョリビー(現地大手チェーン)のフライドチキンをはじめとして、そこら中で、フライドチキン・ポテト・ハンバーガーなどのファストフードが売っています。
なので、野菜を摂取するのが意外と難しいです。勿論、新鮮な野菜はスーパーにいけば入手できます。しかし、外食で見つけるのは結構難しいです。
そこで私は健康管理のため、日本からサプリメントを持参することのも良いかと思います。

ジョリビー
また、フィリピン人はとにかく米が大好き。フライドチキンと一緒にお米を食べます。
衝撃だったのは、マクドナルドやKFC(ケンタッキーフライドチキン)にお米が売ってます。また、セブンイレブンのホットコーナーにもお米が売ってます。
想像してみてください。フィリピンでのマクドナルドの定番セットはビックマックではありません。フライドチキン+ライスのセットです。

KFCフライドチキン+ライス
3. 「教会が生活の近くにある」— キリスト教の国ならではの週末

私の滞在先周辺では、教会が生活導線の中に普通にあるのが印象的でした。
週末にはミサに参加する家族連れをよく見かけました。宗教行事がコミュニティの大切な時間になっている雰囲気。
旅行者や留学生でも、見学可能な場面はあります。入場の可否や撮影の扱いは場所ごとのルールに従い、露出の少ない服装・静かな振る舞いを心がけるのがマナーだと感じました。
私が参加したミサでは、聖歌のハーモニーに驚きました。合唱が自然にそろうというか、子どもからお年寄りまで声を合わせることが生活に溶け込んでいる印象です(あくまで私の主観です)。宗教は個人の信仰にかかわる繊細な領域なので、敬意をもった態度で向き合うことが大切だと学びました。
ただし、教会は注意があります。厳格な宗教施設のため、露出の多い服装は避け、肩や膝が隠れる格好で訪れるのがマナーです。私は一度半袖半パンの恰好で行き、警備員に止められ中に入ることができなかったことがあります。
服装には注意です。
また、教会での歌でも思いましたが、とにかくフィリピン人は歌がうまいです。
その理由はカラオケがたくさんあることです。一般家庭にもあります。
私が最も楽しかったカルチャーショックのひとつが、歌が身近にある日常。歌が上手いと感じる人に多く出会ったのは事実ですが、それ以上に「歌うのが好き」という空気が好きでした。
教会の聖歌はもちろん、カラオケ(KTVを含む)は街のあちこちで見かけ、ビーチや野外レストランでも堂々と歌う人たちがいます。観光客でも拍手や口ずさみで参加すれば、場の一体感にすぐ入れるのが心地よい。
なお、施設によって年齢制限・利用規約・料金体系が異なるため、各店舗のルールに従うのが前提。音量や時間帯への配慮はお互いさまです。

4. 野犬がとても多い

フィリピンを歩くと、路上や市場周辺で多くの犬を目にします。これは偶然ではなく、社会的背景があります。
第一に、飼い犬を放し飼いにする文化が根強く、家の外で自由に歩かせる家庭が多いことが挙げられます。
加えて、行政の捕獲・保護体制は十分ではなく、シェルターや譲渡制度が整っていない地域も多いそうです。
また、経済的事情から犬を完全に世話できない家庭もあり、放棄や半野良状態が続きます。熱帯気候で寒さによる淘汰が少なく、生存環境が比較的良いことも数を増やす要因です。
渡航者の方、狂犬病のワクチン接種をしておくことをおすすめします。
私はIT Park内にいましたが、その街中ですら、大量の野犬がいます。そのため、打っておくほうが安心です。
また、意外に知られてないですが、狂犬病の感染経路は犬に限りません。
ねずみやトカゲからの可能性もあります。もし、予防接種を受けていない方は要注意です。
ただし、街中にいる野犬は基本的に襲ってくることはありませんでした。(あくまで私の体験です。)
私は最初の1~2週間ですっかり慣れました。慣れると、とてもかわいい癒しの存在に昇華されます。
5. トイレ事情について

セブ島では、IT Parkなどの街中ではモール内やレストランでトイレを利用します。
一方、地方都市にいくと、日本のように無料で使える場合は少ないです。トイレの入り口で係員に利用料を支払うシステムまたは置いている箱にコインを入れるのが一般的です。
その金額は5〜10ペソほどですが、観光客にとっては思わぬ落とし穴になることがあります。特に紙幣しか持っていないと断られる場合や、係員が釣り銭を用意していないこともあり、実際に「小銭がなくて入れず困った」という声も耳にします。
この利用料は単なる料金ではなく、清掃やトイレットペーパーの補充、水道代の維持費などにあてられており、利用者が快適に使えるよう支える仕組みでもあります。場所によっては、支払い後にトイレットペーパーを少量だけ手渡される形式もあるので、衛生面で安心するためには自分でティッシュやウェットティッシュを持参するとさらに便利です。
旅行者にとって最も大切なのは、常に小銭を持ち歩くことです。セブ島は思ったよりも現金文化です。基本的にマーケットやローカルのコンビニはカードが使えません。
観光や買い物で大きな紙幣を崩す機会が限られることも多いので、先を見越してコインを用意しておきましょう。
公衆トイレだけでなく、ジプニーやトライシクルといった交通機関の運賃支払いでも小銭が必須です。旅をスムーズに進めるための基本的な心構えとも言えるでしょう。

まとめ
- 年中暑いフィリピンでは、朝シャワー中心の生活リズムに自然と移行(私の体感)。
- 食文化は新鮮な驚きの連続。豚の脳や血を使う料理など、日本ではレアな一皿に出会うことも。衛生と体質に配慮しつつ、挑戦は自分のペースで。
- キリスト教は生活に近く、教会やミサは静かな敬意を持って接すれば、文化理解の良い機会に。
- 日常に**“歌う”楽しさ**があるのが魅力。教会の聖歌、KTV、ビーチの歌声まで、音楽がコミュニケーションの橋渡しに(私の主観)。
- 街中にも野犬がたくさんいます。渡航者の方は狂犬病のワクチン接種をしておきましょう。
- セブ島の地方ではトイレが有料。地方へ行く際はコインを持ち運んでおきましょう。